トピックス−和田内科医院/京都市東山区の病院−内科・糖尿病・生活習慣病

和田内科医院
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2011年12月01日
新しい糖尿病治療医薬  −インクレチン製剤―
 血糖が上昇すると、血糖を低下させるホルモンであるインスリンが膵臓(のβ細胞)から分泌されることはよく知られていますが、血糖が上昇する前に、つまり食事をして食べ物が胃から小腸を通り、吸収されている段階でインスリンを分泌させるホルモンが既に分泌されています。このホルモンをインクレチンと呼びGIPとGLP-1の2種類があります。そしてこのインクレチンはDPP4という物質により数分の内に分解されて効果がなくなってしまいますが、このDPP4を働かなくする(作用を阻害する)と長時間にわたりインクレチンが作用し、インスリンを分泌させることが出来ます。そこで、2年ほど前からGLP-1の注射薬と、GIPとGLP-1の分解を阻害するDPP4阻害薬が糖尿病治療に用いられています。
 このインクレチンにはインスリンを分泌させて血糖を低下させる作用だけではなく、食欲中枢に働いて食欲を減少させたり、胃の運動を抑えて食べ物の吸収を遅らせたり、またインスリンを産生している膵β細胞が壊れる(アポトーシス)のを抑制したり、β細胞の数を増やしたり、さらにはインスリン合成を増加させる、などの働きがあると言われています。
 一般に2型糖尿病患者さんのβ細胞は年々減少し、インスリン分泌が低下して行く、と言われています。ところが、このインクレチン製剤はβ細胞を減少させない、むしろ増加させるかも知れない、そしてインスリン分泌を増加させることまで期待できる、という訳です。また、GLP-1の注射薬では肥満者で2〜4?の体重減少が報告されており、その上、血糖値の高いときにのみ作用して、低血糖が起こりにくいと言われています。こう書いてゆくとインクレチン製剤は将に「夢の薬」ということになってしまいます。
しかし、まだ諸手を挙げて喜ぶわけには行きません。これらのβ細胞に対する効果は、確かにネズミでは確認されているのですが、ヒトでは確認されていません。注射薬では胃の運動を抑えるため「むかつき」が起こることがあります。低血糖が起こりにくい、と書きましたがDPP4阻害剤には、ある種の血糖降下剤との併用で非常によく効いて重症の低血糖を呈することもありました。(ただし、最近では使い方が研究され、そのような重症の低血糖は無くなりました。)ただ良く効く患者さんと余り効かない患者さんがおられ、その差が何であるのか、まだ良く分かっていません。
 旨く用いれば安全で有効な治療薬であることには間違いありません。私もすでに50人以上の患者さんに飲んでいただいておりますが、特に事故はなく、一般に報告されているのと同じような効果が得られています。
 現在、ヨーロッパやアメリカでは1週間に1回注射をすればよいGLP-1製剤も用いられており、毎日注射するのと遜色ない効果が報告されています。今やこれらインクレチン製剤は糖尿病の薬物治療の中心的存在となって来ています。
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